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「あるもの」に目を向ける大切さ:可能性を引き出すリーダーの視点
「あるもの」に目を向ける大切さ:可能性を引き出すリーダーの視点
私たちは日々、何かが「足りない」と感じる瞬間に直面します。
新しいスキルを身につけたい、より良い成果を出したい、理想の環境を手に入れたい…。
こうした向上心は成長を促す大切な要素です。
しかし、何かが「ない」ことにばかり意識を向けすぎると、
今すでに自分やチームが持っている「宝物」を見落としてしまう危険性もあります。
この記事では、リーダーとして「あるもの」に目を向ける大切さと、
その具体的な実践方法について考えていきます。
不足を追い求める脳の働き
人間の脳は、不足に意識が向くと、その不足をさらに見つけようとする性質があります。
たとえば、チームの中で誰かの弱点や課題に注目し始めると、それがどんどん拡大して見えるようになります。
「この人はこれが苦手だ」「もっとこうしてくれればいいのに」と考えるたびに、
課題が強調されてしまい、その人の強みや可能性に目を向ける余裕が失われてしまうのです。
リーダーがこうした視点を持ち続けると、チーム全体が「不足」にフォーカスした状態に陥り、
メンバー同士の信頼や協力が損なわれる可能性があります。
「あるもの」にフォーカスする力
一方で、「あるもの」、つまりメンバーや自分自身が持つ強みや可能性に目を向けることは、
ポジティブな変化を生み出します。たとえば、以下のようなケースを考えてみてください。
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メンバーの強みを見つけて活かす
あるリーダーが、部下のコミュニケーション能力に注目し、
そのスキルを活かせるプロジェクトにアサインしました。
その結果、プロジェクトは円滑に進行し、メンバー自身のモチベーションも向上しました。 -
小さな成功を称える
チーム内での小さな進歩や努力を認め、賞賛することで、
メンバーの自信と意欲が高まり、次なる挑戦への原動力となります。
こうした「あるもの」にフォーカスする視点を持つことで、
リーダーはチームの可能性を引き出し、成長を促進することができます。
自分自身の「あるもの」を見つめ直す
リーダーシップは、まず自分自身を理解することから始まります。
自分がすでに持っているスキルや経験を見直し、「足りない」と嘆くのではなく、「どう活かせるか」を考えてみましょう。
たとえば、以下のような問いを自分に投げかけてみると良いでしょう。
- 自分の得意なスキルは何か?
- 過去の成功体験から学んだことは何か?
- チームやプロジェクトで特に役立った経験は何か?
こうした問いを通じて、自分自身の強みを再確認することで、リーダーシップの質を向上させることができます。
チームの「あるもの」をリストアップする
チーム全体の成長を促進するためには、メンバーそれぞれの「あるもの」を明確にすることが重要です。
次のステップを試してみてください。
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強みの棚卸しを行う
チームメンバー一人ひとりのスキルや経験、得意な分野をリストアップします。 -
強みを活かす環境を整える
各メンバーの強みが最大限発揮できるよう、タスクの割り振りやプロジェクトの設計を見直します。 -
ポジティブな文化を醸成する
メンバー同士が互いの強みを認め合い、協力し合える環境を作ります。
「あるもの」に気付くための第一歩
「ないもの」を探すのではなく、「あるもの」に目を向けること。
それは、自分自身のリーダーシップを磨くための大きな一歩です。
まずは、自分やチームの「あるもの」をリストアップすることから始めてみてはいかがでしょうか?
きっと、自分たちがすでに持っている「宝物」に気付く瞬間が訪れるはずです。
そして、その宝物を活かして大きな成果を生み出すことができるでしょう。
この視点を日常に取り入れることで、リーダーとしての能力をさらに高めることができます。
今すぐ、自分の「あるもの」を見つける旅を始めてみましょう!
質問型コミュニケーション協会代表理事
30代の頃、激務に追われ自身の心身のバランスを崩しうつ病で休職。
その頃にコーチングに出会い人生が大きく変化。
累計発行部数20万部の質問型営業開発者青木毅からコーチングや質問型営業を習いその後、15年10,000時間に及び、相手の深い価値観を引き出し寄り添うコーチングを行う。
中小企業社長様から中学生まで多種多様な方のサポートをしてきた経験から質問型コミュニケーションを法務省等の自治体、および製造業・士業・保険会社・介護・製薬会社・美容業等へと広める活動をしている。好きなものは奥さんとの神社巡りと歌うこと。実は過去に音楽活動をしていました。