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強みの盲点に気づく──「ジョハリの窓」を活用した自己理解のステップ
強みの盲点に気づく──「ジョハリの窓」を活用した自己理解のステップ
自分の強みを考える際、意外と自分では気づいていない部分があることをご存じでしょうか?
「自分の強みを活かしたい」と考える方でも、その盲点に気づいていない場合、
せっかくのポテンシャルを活用できていないかもしれません。
心理学の「ジョハリの窓」というフレームワークでは、自分自身に関する「気づき」を4つの領域に分けています。
ここでは特に「盲点領域(Blind Area)」に焦点を当て、自分の強みを正確に理解し、活用する方法をご紹介します。
目次
ジョハリの窓──4つの領域とは?
「ジョハリの窓」は、自分を理解するためのモデルで、以下の4つの領域に分かれています。
-
開放領域(Open Area)
- 自分も他人も知っている情報。
例:周囲に知られているあなたの明るい性格やリーダーシップのスキル。
- 自分も他人も知っている情報。
-
盲点領域(Blind Area)
- 自分では気づいていないが、他人には見えている情報。
例:他人から「人を安心させる雰囲気がある」と言われて初めて気づく自己特性。
- 自分では気づいていないが、他人には見えている情報。
-
秘密領域(Hidden Area)
- 自分は知っているが、他人には隠している情報。
例:自分が抱える弱点や内面の葛藤。
- 自分は知っているが、他人には隠している情報。
-
未知領域(Unknown Area)
- 自分も他人も気づいていない情報。
例:新しい挑戦を通じて初めて見つかる潜在能力。
- 自分も他人も気づいていない情報。
盲点領域を埋めるためのフィードバックの重要性
自分の盲点領域に気づくには、他人からのフィードバックが鍵となります。
たとえば、以下のようなケースがあります。
具体例 1: 職場での気づき
ある企業のプロジェクトリーダーが、部下から「話がわかりやすくて助かる」と言われました。
本人はこれを意識していませんでしたが、これを機に「情報を整理して伝えるスキルが自分の強みだ」と認識するようになりました。
その後、このスキルを活かしてチーム内の共有資料をより見やすく作成することで、プロジェクトの効率が向上しました。
具体例 2: 個人の趣味からの発見
趣味で参加していたコミュニティ活動で、「あなたは初対面の人ともすぐ打ち解けられるね」と指摘されたケース。
本人は「ただの人懐っこさ」と捉えていましたが、これが「初対面で信頼を築く力」という貴重な強みであることに気づき、
後に営業職で成果を上げる大きなきっかけとなりました。
フィードバックを効果的に活用するポイント
他人からのフィードバックは、盲点を埋めるための貴重な情報源ですが、活用するには注意が必要です。
フィードバックする側のポイント
-
受け取りやすい形で伝える
批判的な表現は避け、具体的なエピソードを交えて伝えると効果的です。
例:「この前の会議で、皆の意見を整理してくれて助かったよ」といったポジティブな切り口。 -
質問型コミュニケーションを取り入れる
例:「あなたはどうやって皆が納得するアイデアを出せると思いますか?」と質問を投げかける。
フィードバックを受け取る側のポイント
-
ひとつの見方として捉える
フィードバックを「自分のすべて」とせず、参考として冷静に受け入れます。
例:「なるほど、他の人からこう見えているんだ」と捉える。 -
都合の悪い意見にも向き合う
自分にとって受け入れづらい内容も、成長のきっかけとして捉える視点が大切です。
強みを活かすための具体的なアクションプラン
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フィードバックの機会を増やす
- 定期的にチームメンバーや同僚に自分の振る舞いや成果について意見をもらいます。
- ツール例:匿名アンケート(Googleフォームなど)を活用。
-
自己認識を深めるワークショップに参加する
- ジョハリの窓やエニアグラムを学ぶセミナーやワークショップは効果的です。
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振り返りの時間を持つ
- 日々の行動を振り返り、フィードバックをもとに強みを活かす方法を考えます。
- 例:「フィードバックで指摘された『聞き上手』を活かして、
次回の会議では質問を増やしてみよう」といった行動目標を立てる。
まとめ
自分の強みを最大限に活かすためには、盲点領域に気づき、
それを埋めるプロセスが必要不可欠です。
他人からのフィードバックを活用し、自分自身を客観的に理解することが、
強みをさらに磨き、チームや自分の成功につながります。
ぜひ、このプロセスを取り入れ、強みを引き出す第一歩を踏み出してください。
その一歩が、あなたのリーダーシップを次のレベルへ引き上げ、組織全体に大きな影響をもたらすでしょう。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
それでは、良い一日を!
質問型コミュニケーション協会代表理事
30代の頃、激務に追われ自身の心身のバランスを崩しうつ病で休職。
その頃にコーチングに出会い人生が大きく変化。
累計発行部数20万部の質問型営業開発者青木毅からコーチングや質問型営業を習いその後、15年10,000時間に及び、相手の深い価値観を引き出し寄り添うコーチングを行う。
中小企業社長様から中学生まで多種多様な方のサポートをしてきた経験から質問型コミュニケーションを法務省等の自治体、および製造業・士業・保険会社・介護・製薬会社・美容業等へと広める活動をしている。好きなものは奥さんとの神社巡りと歌うこと。実は過去に音楽活動をしていました。