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“この人しかわからない”は危険信号!組織を強くする具体策
“この人しかわからない”は危険信号!組織を強くする具体策
「この業務はあの人にしかできない」「このシステムは〇〇さんしか詳しくない」といった状況、
皆さんの会社やチームにも見られませんか?
これは一見すると専門性の高さや個人の能力の証とも言えますが、
実は組織運営における大きなリスクとなります。
現在の働き方では、急な体調不良や家庭の事情で一時的に業務を担えなくなるケースも多くあります。
また、特定の個人に業務が集中してしまうと、その人自身が休めない状況になり、負担が増大します。
このような不安定な状況は、組織全体に影響を及ぼしかねません。
目次
1.リスクを解消するための3つのアプローチ
「この人にしかできない」という状況を解消するには、組織全体での仕組みづくりが必要です。
ここでは、誰でも実践できる具体的な3つのアプローチをご紹介します。
1.)業務内容を明文化し、共有する
どのような業務でも、手順が明確にされていればスムーズに引き継ぐことができます。
明文化は「誰でも業務を実行できる」基盤づくりに役立ちます。
具体例:
営業チームで「見積もり作成のフロー」を以下のようにマニュアル化してみましょう。
- 顧客からの問い合わせを受け取る
- 必要な情報をヒアリングする(テンプレート化された質問リストを利用)
- 見積もり書を作成(社内ツールを使用)
- 上司へ確認後、顧客に送付
このように明確な手順を記載することで、誰でも同じクオリティで対応可能になります。
2. ナレッジをチーム全体で共有できる仕組みを作る
特定の人に依存しない組織作りには、ナレッジの共有が欠かせません。
情報を全員がアクセスできる状態にすることで、業務が滞るリスクを大幅に軽減できます。
具体例:
- ITチームで使用しているシステムの設定方法をWikiに記載
- FAQ形式でトラブルシューティングをまとめる
例えば、「システムトラブル時の初期対応手順」を共有することで、
特定のエンジニアがいないと対応できない状況を回避できます。
3. 教育体制と役割分担を見直す
スキルや知識が特定の個人に集中しないよう、教育体制の強化と役割分担の見直しを進めることも重要です。
これは組織の成長にもつながる取り組みです。
具体例:
- 毎月1回、社内で「スキルシェア会」を開催し、業務に必要なスキルや知識をメンバー間で共有
- 新人向けに「OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)」の仕組みを導入し、
現場で必要な知識を段階的に習得させる
これにより、業務負担を分散させるだけでなく、従業員がスキルアップする機会も増えます。
2)「休みやすい環境」が生産性を向上させる
社員が安心して休める環境は、組織全体の生産性を向上させるカギとなります。
特定の人材に業務が集中しない体制を整えることで、結果的に組織のパフォーマンスも向上します。
実際の例:
ある企業では、部署全体で役割分担を見直し、休暇を取得しやすい仕組みを導入しました。
その結果、1年間で従業員満足度が15%向上し、離職率も大幅に低下しました。
3)明日からできること
大きな変革を目指す必要はありません。「この人しかわからない」状況を防ぐためには、
まずは小さな一歩から始めてみましょう。
- チームで業務フローを見直し、ドキュメント化
- 月1回の情報共有会を実施
- 必要に応じて外部研修を活用し、社員教育を強化
これらの取り組みを積み重ねることで、大きなリスクを防ぎ、強い組織を作る基盤になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ぜひ明日から一歩を踏み出してみてください。
良い一日を。
質問型コミュニケーション協会代表理事
30代の頃、激務に追われ自身の心身のバランスを崩しうつ病で休職。
その頃にコーチングに出会い人生が大きく変化。
累計発行部数20万部の質問型営業開発者青木毅からコーチングや質問型営業を習いその後、15年10,000時間に及び、相手の深い価値観を引き出し寄り添うコーチングを行う。
中小企業社長様から中学生まで多種多様な方のサポートをしてきた経験から質問型コミュニケーションを法務省等の自治体、および製造業・士業・保険会社・介護・製薬会社・美容業等へと広める活動をしている。好きなものは奥さんとの神社巡りと歌うこと。実は過去に音楽活動をしていました。