コラムCOLUMN
現場でしか見えないことがある
こんにちは、安井です。
今日は、「会議室ではリーダーの本当の課題は見えない?」というテーマで書いていきたいと思います。
リーダー育成に関わる仕事をしていると、つくづく感じるんです。「あれ? なんであの人、会議ではすごく頼もしいのに、現場ではうまく機能してないんだろう…?」みたいなこと。
そう、事件は、会議室では起きていないんです。現場で起きてるんですよ。
目次
- ① 会議室でのリーダー像は、理想的すぎる?
- ② 実践しないと見えないものがある
- ③ リーダーの代わりはできない。でも、支えることはできる
- ④ リーダー育成を「楽しく」するために
- ⑤ 「現場」を知るとは、相手のリアルに寄り添うこと
- というわけで…
① 会議室でのリーダー像は、理想的すぎる?
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」
このセリフ、映画『踊る大捜査線』の名台詞として有名ですが、実はリーダー育成の世界にもピッタリはまるんです。
よく会議や研修、1on1の場面で、ロールプレイングや理想的な振る舞いを指導します。これ自体はもちろん大切なプロセスですし、学びにはなります。でも、実際の現場でどうかと言われると…なかなか見えないんですよね。
なぜか?
会議室というのは、いわば「安全地帯」なんです。緊張感はあっても、現実の人間関係や複雑な利害関係からはちょっと距離があります。正解を意識しやすい環境なんですね。
でも、現場は違います。感情、時間、責任。いろんなものがうごめいている。
だから、会議室では「良い人」でも、現場では「ちょっと頼りない人」になることだってあるわけです。
② 実践しないと見えないものがある
ではどうすれば、リーダーの「現実の姿」を知ることができるのでしょうか。
答えは、シンプルです。「実際にやってもらう」ことです。
私の研修では、時々、リーダーたちに「僕にコーチングしてみてください」とお願いすることがあります。
最初は皆さんちょっと戸惑うんですよね。「えっ、先生にやるんですか?」って(笑)
でも、やってもらうと、本当にいろいろなことが見えてくるんです。
たとえば、質問の仕方が詰問っぽかったり、相手の話を途中で遮っちゃったり。本人は無意識なんですよ。でも、癖ってそういうものなんです。
そして、驚くことに、私自身の指導方法の癖や漏れにも気づかされるんです。
「あ、ここちゃんと説明できてなかったな」とか、「この例え話、伝わってなかったかも」とか。
つまり、「やってみてもらう」ことで、リーダーも私も、どちらも学びが深まるんです。
③ リーダーの代わりはできない。でも、支えることはできる
私たち講師やコンサルタントは、あくまで「サポーター」です。リーダーの代わりに現場で指示を出すことはできません。
これは、ものすごく重要なポイントです。
リーダー本人が、主体的に動き、現場で信頼を築いていかないと、真の意味での「成果」は出てこないからです。
とはいえ、じゃあ私たちが無力かというと、そうではありません。
リーダーが成長できる「仕組み」や「仕掛け」を作ること。それは、まさに私たちの腕の見せ所です。
たとえば、行動を可視化できるチェックリスト、部下との対話をサポートするワークシート、定期的なリフレクションの仕組み。こういうツールがあるだけで、現場での行動は大きく変わることがあります。
そして何より大事なのは、「信じて見守ること」。
口出しするよりも、観察して、時々フィードバックをしてあげる。そうすることで、リーダー本人が「自分で気づいて、変わっていく」んです。
④ リーダー育成を「楽しく」するために
ところで、最近とても面白い取り組みがあるんです。
なんと、リーダーシップを学べるカードゲームが開発されているんですよ。
手がけているのは、協会認定トレーナーの森田史郎さん。彼のアプローチがまたユニークで、「質問型コミュニケーション」をベースにしつつ、それをゲームに落とし込むことで、楽しみながら学びが深まるんです。
「学び=堅苦しい」ではない。
「学び=楽しい」。この感覚、すごく大事です。
大人になると、「ちゃんとしなきゃ」と思いがちです。でも、子どもの頃って、遊びながら覚えていきましたよね? あの頃の感覚を取り戻すだけで、成長のスピードって全然違ってくると思うんです。
⑤ 「現場」を知るとは、相手のリアルに寄り添うこと
最後に、もうひとつだけ大切な視点を。
「現場に入る」とは、ただ物理的に現場に行くということではありません。
そこにいる人たちのリアル、つまり、「何を感じているか」「どこで悩んでいるか」「どうして動けないのか」に想像を巡らせること。
つまり、目に見える行動の裏側にある「感情」や「背景」を理解しようとする姿勢こそが、真の意味での「現場に入る」ということだと思うのです。
たとえば、部下のやる気が出ないのは、能力がないからではなく、「誰にも見てもらえてない」と感じているからかもしれません。
「怒られないようにやる」から「応援されてるからやる」に変わったとき、現場って、本当に動き出すんです。
というわけで…
今日は、「会議室では見えない、リーダー育成のリアル」というテーマで書いてきました。
結局のところ、リーダー育成は「答えが一つではない」世界です。だからこそ、マニュアル的な指導ではうまくいかないことも多い。
とはいえ、私たちが関わる意味がないわけではありません。
やるべきことは明確です。
「リーダー本人が現場で主体的に動けるように、寄り添い、支え、信じること」
それだけでも、現場は変わっていきます。
そして、何より大事なのは、「楽しさ」や「人間らしさ」を忘れないこと。学びは、もっと柔らかくていいんです。
さあ、明日もきっと、どこかの現場で「事件」が起きているはずです。
あなたがその現場にいるとき、そのリーダーに寄り添える人であれたら、それだけで十分だと思いますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
それでは、良い一日を!
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