コラムCOLUMN
言葉の定義をそろえる力
こんにちは、安井です。
今日は「言葉の意味、ずれていませんか?」というテーマで書いていきたいと思います。
この話、一見するとちょっと哲学的に聞こえるかもしれませんが、実はかなり実用的で、しかも日常の中にもゴロゴロ転がっているトピックなんです。
ということで今回は、「言葉の定義」ってそもそもなんだ?というところから、それがなぜ大切なのか、そしてどう活用するとコミュニケーションがうまくいくのかまで、やさしく深掘りしていきます。
目次
- ①「将来が不安です」に潜む、ズレの正体
- ②「言葉は共有されていない」がデフォルトかも
- ③ よくあるアドバイスの落とし穴
- ④ とはいえ、いちいち全部確認するのはめんどくさい?
- ⑤ 「言葉の意味を揃える」という魔法
- ⑥ 言葉の定義を確認することは、相手を大切にすること
- ⑦ 「質問力」は、思いやりの技術
- ⑧ というわけで、言葉の意味をちょっと気にしてみてください
①「将来が不安です」に潜む、ズレの正体
たとえば、こんな会話を思い出してください。
「将来が心配なんです」
「そうなんですね、不安って、例えばどんなことですか?」
このやりとり、質問型コミュニケーションを学んだことがある方にはおなじみかもしれません。
でも、実際に「将来」っていつのことなのか、「心配」ってどんな状態なのか、ちゃんと確認していますか?
ここ、意外と見落とされがちなんです。
②「言葉は共有されていない」がデフォルトかも
私たちは普段、言葉を「わかったつもり」で使っています。
「幸せ」「不安」「挑戦」「安心」「豊かさ」…。
こうした抽象度の高い言葉ほど、なんとなく共通のイメージがあるようで、実はぜんぜん違っていたりします。
たとえば、「安心したい」と言う人がいたとします。
Aさんにとっての“安心”は、家族が健康でいてくれること。
でもBさんにとっての“安心”は、貯金が1000万円ある状態だったりします。
同じ言葉を使っていても、指しているものがまったく違うんですね。
③ よくあるアドバイスの落とし穴
ここでありがちなアドバイスが、
「ちゃんと聞きましょう」
「共感してあげましょう」
というもの。もちろん間違ってはいません。
でも、ここにはひとつ大きな落とし穴があります。
それは、「共感」しようとするあまり、
相手の言葉を勝手に自分の解釈で理解してしまうこと。
たとえば、「安心したいんですよね」と言われて、
「うんうん、貯金が不安なんですね」と早合点してしまったり。
でも実は、相手が本当に求めていたのは“心のつながり”だった…なんてこともあるわけです。
④ とはいえ、いちいち全部確認するのはめんどくさい?
「じゃあ毎回、言葉の意味を全部聞かなきゃいけないの?」
と思った方、きっといらっしゃると思います。
たしかに、すべての言葉に「それってどういう意味?」と確認していたら、会話が進まないどころか、ちょっとウザがられるかもしれません。笑
なので大切なのは、“曖昧なままだと誤解を生みそうな言葉”だけ、丁寧に扱うことです。
具体的には、
-
将来
-
安心
-
成功
-
自由
-
豊かさ
-
価値ある人生
こういう抽象的な単語には、要注意。
なんとなく通じ合ってる気がしても、その「なんとなく」が一番のズレを生みます。
⑤ 「言葉の意味を揃える」という魔法
じゃあ、どうやって意味を揃えたらいいのか?
答えはとてもシンプルで、「質問すること」です。
「将来って、何年後くらいのことをイメージしていますか?」
「“心配”って、どんなことが起こるのが怖いですか?」
こうやって問いかけるだけで、相手の世界がぐっと具体的に見えてきます。
で、これって何が良いかというと、相手の言葉が“解像度高く”なっていくんですよね。
ぼんやりしていたイメージが、ちゃんと形を持ち始める。
その瞬間、相手も「自分ってこんなことを考えていたんだ」と気づけたりします。
⑥ 言葉の定義を確認することは、相手を大切にすること
ここが一番伝えたいところなんですが、
相手の使う言葉の意味を丁寧に確認するというのは、
「あなたの世界をちゃんと知りたいと思ってますよ」というサインでもあります。
つまり、信頼を築く一歩なんです。
たとえば、「心配なんです」と言ったときに、
「なるほど。具体的には、どんなことが心配なんでしょう?」
と返してくれる人と、
「大丈夫ですよ!みんな最初は不安ですから!」
と一方的に安心させようとする人。
どっちの人に、「この人は信頼できる」と思えるかは、明らかですよね。
⑦ 「質問力」は、思いやりの技術
質問型コミュニケーションって、
なんだかテクニックっぽく聞こえるかもしれません。
でも本質は、ものすごくシンプルで、
「相手のことをちゃんと理解したい」という姿勢なんです。
そのために、言葉の“ズレ”を丁寧に扱う。
そうすることで、会話がただの言葉のやりとりじゃなく、
“理解し合う時間”になっていきます。
これって、ちょっと素敵なことだと思いませんか?
⑧ というわけで、言葉の意味をちょっと気にしてみてください
というわけで、今日は「言葉の意味のズレ」についてお話ししてきました。
一見ささいなことに思えるかもしれませんが、
この“定義の確認”があるかどうかで、コミュニケーションの深さはガラッと変わります。
別に、言葉のプロになれって話じゃありません。
ただ、「この人が言っている“安心”って、どういう意味なんだろう?」
そうやって少しだけ想像してみるだけで、人との関係ってやわらかくなるんです。
そして何より、誤解が減ります。
質問するのは、めんどうなことではありません。
むしろ、その人の世界を旅するための“パスポート”のようなものかもしれませんね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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