コラムCOLUMN
評価制度の研修をしてみて
こんにちは、安井です。
今日は「評価制度の研修をしてみて」というテーマで書いてみたいと思います。
先日、ちょっといつもとは違う分野で、「どうしてもお願い!」と声をかけられまして、評価制度に関する研修をやらせていただきました。しかも対象はリーダー層。テーマは「評価の仕方」と「評価面談の進め方」です。
とはいえ、私は制度の専門家ではないので、最初は「大丈夫かな…」という不安もありました。でも、やってみて気づいたことがあったんです。それは、「制度」より「関わり」がすべての土台だということ。
今日はそんな気づきを、みなさんと共有できたらと思います。
目次
- ① 評価制度は“きっかけ”にすぎない
- ② 「見てもらってる感」はどこから生まれる?
- ③ 説得型の面談がもたらす“逆効果”
- ④ 育成面談は「質問の質」がすべて
- ⑤ 育成型マネジメントの鍵は「日常」にある
- ⑥ 制度は“運用してこそ制度”
- というわけで
① 評価制度は“きっかけ”にすぎない
「評価制度を見直さなきゃ」とか「評価基準を整えよう」とか、よく聞きますよね。
もちろん、制度があいまいでは不満が出ますし、整備は必要です。でも、それがちゃんと機能している組織って、実は別のことに力を入れていたりするんです。
それが何かというと、「普段の関わり」です。
評価のタイミングだけやたら丁寧になっても、日頃の関係が希薄だったら、相手からしたら「いまさら何?」ってなりますよね。お世辞にも心が通っているとは言えないし、そもそも信用されていないことだってあるわけで。
つまり、評価制度って“土台の信頼関係”がないと、うまく作用しないんです。
② 「見てもらってる感」はどこから生まれる?
みなさんは、上司から「見てるよ」と言われたとき、どんなふうに感じますか?
「ほんとに?ちゃんと見てる?」って、ちょっと疑いたくなった経験、ありませんか?
言葉だけじゃダメなんです。部下は案外、ちゃんと見てます。「この人、自分に関心を持ってくれてるな」って。逆に、「評価のときしか話しかけてこない」と思われたら、もうその時点で信頼残高はガタ落ちです。
たとえば、毎朝の「おはよう」や、何気ない雑談、ちょっとした報告へのリアクション。そういう積み重ねが、「ちゃんと見てもらってる」という実感につながるんです。
だからこそ、評価面談の前に問いたいんです。
「普段、あなたはその人に関心を持っていますか?」
③ 説得型の面談がもたらす“逆効果”
今回の研修では、「評価を納得してもらうために、すごく頑張って説明してるんです」という声も多く聞きました。
でも、ここに落とし穴があるんです。
「納得してもらおう」とするあまり、「説得」になってしまっているケースが多いんですよね。説得されて嬉しい人って、あまりいません。
この原因のひとつは、ふだんから“話を聴く”という姿勢が不足しているからだと思うんです。
話を聴かない人が評価のときだけ話し出す。それはちょっと、都合よすぎますよね。
④ 育成面談は「質問の質」がすべて
じゃあ、どうすれば納得される評価につながるのか?
ここで登場するのが「質問型コミュニケーション」です。
これは、評価面談の“前段階”として、日頃から部下との対話に取り入れておきたいスタイルです。ざっくり言えば、「ちゃんと聴くことが何より大事」という考え方ですね。
具体的には、
-
相手の状況をじっくり聴く
-
思いを掘り下げる
-
小さな努力を承認する
こうしたプロセスを大切にすると、面談のときにもスムーズに話が進むようになります。なぜなら、「この人なら話しても大丈夫」と思ってもらえるから。
そして、こちらの言葉が相手に“刺さる”のは、関係性が築かれているからこそです。
⑤ 育成型マネジメントの鍵は「日常」にある
最近では「育成型マネジメント」という言葉もよく聞くようになりましたが、これって大げさな話じゃないんです。
たとえば、昼休みに「最近どう?」と聞いてみたり、ちょっとした相談に「ありがとう、助かったよ」と返すだけでも、立派な育成です。
制度や評価表よりも、まずは“日常の中にある関係性”が土台になる。
そしてそれがあるからこそ、評価制度も初めて機能するんです。
⑥ 制度は“運用してこそ制度”
評価制度って、整えるだけじゃ意味がないんです。運用されて、はじめて制度になる。
その運用の前提には、信頼、関心、対話があります。
今回の研修であらためて感じたのは、制度そのものをいじるより前に、見直すべきは「日常の関わり方」だということ。
もしかしたら、それができているかぎり、制度は多少アバウトでも、うまくいくのかもしれません。
というわけで
今日は「評価制度の研修をしてみて」というテーマでお話しました。
制度がどうこう以前に、見直したいのは「普段どう関わっているか」です。丁寧な関わりがあってこそ、面談も育成も評価も、すべてがつながっていきます。
リーダーとしては、制度を整備する前に、「部下との関係性を育むこと」から始めるのが、実は一番の近道なのかもしれません。
ちょっとずつでいいので、「今日は誰の話を聴こうかな?」と意識してみる。そんな毎日が、きっと組織を変えていくんじゃないでしょうか。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
それでは、良い一日を!
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