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人を育てるためにリーダーが明日からできる小さな一歩②
こんにちは、安井です。
前回は「小さく承認すること」が人を育てる一歩になる、というお話をしました。
今回はその続編として「強みを言葉にして伝えること」について書きたいと思います。
「承認って、褒めることと何が違うの?」
そんな疑問を持った方もいるかもしれません。
たしかに「承認」と「褒めること」は似ているようで違います。褒めるのは行為や成果にフォーカスしがちですが、承認は「その人自身を見ているよ」というメッセージを込められるんです。
今日は、この承認の中でも特に大切な「強みを言葉にすること」について、一緒に考えていきましょう。
目次
- 1. 「強み」って、なぜ自分では気づきにくいのか
- 2. 「弱みで勝負」はなぜしんどいのか
- 3. 強みを「具体的に」言葉で伝えるコツ
- 4. 強みを伝えると、人はどう変わるのか
- 5. 承認のために必要な「観察力」
- 6. よくある誤解:「承認=おだてる」?
- 7. 承認の積み重ねが生む「安心と成長」
- 8. 今日のまとめ
1. 「強み」って、なぜ自分では気づきにくいのか
まず最初に強調したいのは、自分の強みは自分では気づきにくい、ということです。
例えば、あなたが人の話を自然と最後まで聞ける人だとします。周りからは「すごいね」「安心できるね」と言われても、本人は「いやいや、ただ聞いてるだけだし」と思ってしまうことが多いんです。
なぜなら、自分の強みは「自分にとっては当たり前」だからです。
料理上手な人が「ただレシピ通りにやってるだけ」と言ってしまうのと似ています。
でも他人から見たら、それは立派な強みです。
つまり、強みは「自分の外側」から見てもらわないと浮かび上がらないものなんです。
2. 「弱みで勝負」はなぜしんどいのか
よく「弱みを克服して成長しよう」という考え方があります。学校のテストもそうですよね。苦手な科目を補習でカバーして平均点を上げる。
もちろん、それが全く無意味ということではありません。
ただし、弱みだけにフォーカスするとどうしても苦しくなります。
たとえば、運動が苦手な人が毎日マラソンを頑張っても、得意な人にはなかなか追いつけません。逆に、その人が文章を書くのが得意なら、そこで力を発揮した方が周囲からも認められやすいです。
「弱みをゼロにするより、強みを二倍にする方が結果につながる」
これは心理学でもよく言われることです。だからこそ、リーダーや上司が客観的に強みを見抜いて伝えることが重要になってきます。
3. 強みを「具体的に」言葉で伝えるコツ
「強みを伝えることが大切」と言っても、ただ「君はすごいよ!」だけでは伝わりません。
承認で大事なのは「具体性」です。
例えば、こんなふうに伝えるとどうでしょう。
-
「あなたの聴く姿勢は相手を安心させるよ」
-
「質問の仕方が柔らかくて、お客様が話しやすそうだったね」
これなら、相手も「あ、そこを見てもらえたんだ」と腑に落ちます。
つまり、承認は「その人の鏡」になる役割を持っています。
「あなたにはこういう強みがあるよ」と映し出してあげること。これがリーダーや親、あるいは先輩に求められる大事な仕事です。
4. 強みを伝えると、人はどう変わるのか
人は強みを認められると自然に「もっと活かそう」と思うようになります。
たとえば、学生時代に「説明が分かりやすいね」と言われた人は、その後も発表やリーダー役を積極的にやるようになることがあります。結果として「人前で話すのが得意」というキャリアにつながることもあるんです。
承認は、ただその場を和ませるだけでなく、未来の行動や成果にまで影響を与えます。
言葉にすることで相手の自信を育て、行動の後押しになる。これが承認の持つ大きな力なんです。
5. 承認のために必要な「観察力」
ここで一つ重要なポイントがあります。
それは「承認は観察から始まる」ということです。
強みを見つけるには、相手をよく見ていなければなりません。
たとえば、ただ「頑張ってるね」と言うのではなく、「あのときの質問が相手を安心させてたよ」と細かい場面を拾う必要があります。
つまり、承認は「気づき力」でもあります。
これは決して難しいスキルではなく、「相手に関心を持つ」ことからスタートできます。
6. よくある誤解:「承認=おだてる」?
承認について話すと「結局はおだてたり持ち上げたりすることですよね?」と誤解されることがあります。
でも、それはちょっと違います。
おだては「相手をその気にさせるための言葉」。
承認は「相手をそのまま受け止めるための言葉」です。
だから承認は、無理にテンションを上げたり、盛りすぎたりする必要はありません。
むしろ、淡々とした口調の方が、相手にとって安心できることも多いです。
7. 承認の積み重ねが生む「安心と成長」
承認には2つのステップがあります。
-
承認によって「安心感」をつくる
-
強みを言葉にして「成長」を促す
安心と成長は、一見すると相反するものに見えるかもしれません。
でも、安心があるからこそ挑戦でき、挑戦するからこそ成長できるんです。
このサイクルを回していくことが、リーダーシップにおける大切な役割だといえるのではないでしょうか。
8. 今日のまとめ
というわけで、今回のテーマは「承認において大切なこと」でした。
-
自分の強みは自分では見えにくい
-
弱みで勝負するとしんどい
-
強みを具体的に言葉にすると自信につながる
-
承認には観察力が欠かせない
-
承認は「おだて」ではなく「受け止めること」
承認は相手を変えるための魔法ではなく、相手を照らす鏡のようなものです。
その鏡を通して自分の強みを知ったとき、人は自然と「もっとやってみよう」と思えるんです。
リーダーであっても、親であっても、同僚や友人であっても、ちょっとした承認の言葉が相手の未来を変えるかもしれません。
だからこそ、今日から少し意識して「強みを言葉にして伝える」ことを始めてみませんか?
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
それでは、良い一日を!
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