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承認から始まった質問型コミュニケーションとの出会い【LL#15】
こんにちは、安井です。
今日はちょっと昔話を交えながら、「質問型コミュニケーション」との出会いについて書きたいと思います。テーマはずばり「承認から始まった質問型の力」です。
リーダーシップ研修やコーチング研修をしていると、よく「部下との関わり方に悩んでいます」という声を耳にします。特にリーダーとメンバーの立場は違うけれど、一つのチームをつくるときに欠かせないのが「信頼関係」です。信頼関係をどう築くか。ここでカギになるのが、質問型コミュニケーションと承認なのです。
こちらの記事は以下の動画を記事にまとめたものです👇
目次
- 1. 会社員時代、うつで休職した私
- 2. 一つの動画が人生を変えた
- 3. 運命の出会い ― 青木毅さんとのコーチング
- 4. 承認だけでは足りないことを学ぶ
- 5. 独立を決意したときの試練
- 6. 承認が持つ二つの力
- 7. リーダーとメンバーをつなぐ質問型の力
- 8. まとめ 〜承認から始まるコミュニケーションの未来
1. 会社員時代、うつで休職した私
私はもともと普通の会社員でした。ただ、その会社がまぁ、いわゆる「ブラック企業」だったんです。上司が机を蹴飛ばすような環境で、厳しい言葉が飛び交うのが当たり前。そんな毎日の中で、心が耐えきれなくなり、うつ病で休職しました。
当時は「メンタルヘルス」という言葉も今ほど一般的ではなく、精神科に通うこと自体がハードルの高い時代でした。そんな中で、なんとか復帰して研修部署に配属されたのですが、ここで私の人生を変える“ある出会い”が待っていました。
2. 一つの動画が人生を変えた
配属先の先輩講師が、受講者に見せていた一本の動画。それは「コミュニケーションはキャッチボール」というタイトルのもので、コーチングの第一人者・伊藤守さんの会社(コーチ21)が制作したものでした。
この動画は、コミュニケーションを野球のキャッチボールに例えて解説するシンプルな内容でした。でも、私には衝撃的でした。
「会話って投げっぱなしじゃなくて、受け取って、また返していくものなんだ」
そんな当たり前のことが、当時の私にはすごく新鮮で、心に響いたのです。
なぜなら、私の職場では会話がキャッチボールではなく“ドッジボール”のようだったからです。投げられるのは厳しい言葉ばかり。受け止めてもらえる感覚なんて一度もなかったのです。
この動画をきっかけに「コーチング」というものに興味を持ち、実際に体験してみようと決意しました。
3. 運命の出会い ― 青木毅さんとのコーチング
インターネットで調べて、当時は珍しかったコーチングのお試しセッションを3人のコーチから受けてみました。その中の一人が、後に私の師匠となる青木毅さんでした。
青木さんのセッションは他の人と全然違っていました。私の話を真剣に聴いてくれ、どんなネガティブな言葉も否定せず、すべて「そうなんですね」と承認してくれたのです。
当時の私は自己肯定感が低く、人から認められたい一心で生きていました。だから、この「承認される体験」は心の奥まで響きました。言葉にするなら、ようやく自分が“人として存在していい”と感じられた瞬間でした。
4. 承認だけでは足りないことを学ぶ
ただし、ここで一つ学んだことがあります。
人から承認されるのは確かに嬉しいのですが、それだけに依存すると、また苦しくなるのです。承認を求めすぎると、常に誰かの評価に振り回されることになります。
そこで私が実践したのが「経験学習モデル」に基づいた振り返りです。これは、体験をもとに振り返り→気づき→学び→次の行動につなげていくというプロセスです。振り返りを通して「自分で自分を承認する」習慣を持つことで、人からの評価に左右されすぎずに前に進めるようになりました。
つまり、承認は「人からもらうもの」から「自分でも与えられるもの」に変えていくことができるのです。
5. 独立を決意したときの試練
やがて私は会社を辞めて独立しようと決意しました。きっかけは「うちなる衝動」でした。
「誰にも迷惑をかけない。最悪バイトでも食べていける。だから独立しよう」
そんな内なる声が強く湧き上がってきたのです。
しかし、その決意を直属の上司に伝えたとき、厳しい言葉を浴びました。
「お前は『なりたい』と言っているだけで、イチローのように努力をしていない。だから無理だ」
普通なら心が折れる言葉です。でも、不思議と私は「それでもやります」と言えました。承認されない環境の中であえて自分を信じる。あの瞬間の決意が、独立後の大きな支えになったと思います。
6. 承認が持つ二つの力
こうして振り返ると、承認には二つの側面があると感じます。
-
人からの承認
誰かに認められる体験は、自分の存在を肯定し、自信を取り戻すきっかけになります。 -
自分自身の承認
経験を振り返り、自分で自分を褒めることができると、他者に依存しない安定した成長が可能になります。
質問型コミュニケーションは、この両方を支える力を持っています。相手を認め、問いかけを通して考えを引き出す。そして、そのプロセスを通じて「自分を承認する力」も育まれていきます。
7. リーダーとメンバーをつなぐ質問型の力
リーダーにとって承認は部下のやる気を引き出す鍵ですし、メンバーにとっては「信頼できる人だ」と感じられる大事なポイントです。
例えば、部下が提案を持ってきたときに「でも、それじゃダメだよ」と切り捨てるのは簡単です。でもその代わりに「いいね、そこまで考えてくれて嬉しいよ。その上で、さらに工夫できるとしたらどんなことがある?」と聞くだけで、部下の表情は変わります。
これは単なる会話のテクニックではありません。人としての姿勢。つまり「相手を認め、受け入れる」という在り方です。ここが変わると、リーダーとメンバーの関係も、組織全体の空気も変わっていきます。
8. まとめ 〜承認から始まるコミュニケーションの未来
というわけで、今日は「承認から始まった質問型コミュニケーションとの出会い」をお話ししました。
厳しい職場環境で承認されなかった経験と、コーチングで承認された経験。その両極端を味わったからこそ、私は「承認の力」を信じています。
質問型コミュニケーションは、リーダーとメンバーをつなぎ、チームを一つにする架け橋です。
まずはあなた自身が誰かを承認することから始めてみませんか?
小さな一言が、大きな変化の種になるはずです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
それでは、良い一日を!
こちらの記事は以下の動画を記事にまとめたものです👇
#15承認から始まった質問型との出会い
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