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「三方よし」という考え方の中でも見落とされがちな「対自分」について
こんにちは、安井です。
今日は「三方よし」という考え方の中でも、ちょっと見落とされがちな「対自分」について書いてみたいと思います。
「売り手よし・買い手よし・世間よし」という三方よしの言葉は、近江商人の哲学として有名ですよね。
でも、この三つを支える“もうひとつの柱”があるんです。
それが「対自分」、つまり“自分自身とどう関わるか”という部分です。
「え、自分と関わる?」と思われた方もいるかもしれません。
でも、これが実は、他者との関係性を決める最初のスタートラインなんです。
目次
- ① 自分の見方が、外の世界をつくる
- ② 否定的な自分は、否定的な世界をつくる
- ③ 自分を承認する力が、人を承認する力になる
- ④ 自分に問いかける習慣を持つ
- ⑤ 「対自分」が変わると、すべてが変わる
- ⑥ まとめ 〜三方よしは、対自分から始まる〜
① 自分の見方が、外の世界をつくる
たとえば、あなたが「ベンツに乗りたい」と思っているとします。
すると、街を歩けば不思議とベンツばかりが目に入るんですよね。
これ、心理学では「カラーバス効果」と呼ばれています。
意識したものが、世界の中で浮き上がって見えるという現象です。
同じように、「自分をどう見ているか」も、外の世界に反映されます。
自分を認められないと、他人の言葉にもどこか刺々しさを感じてしまう。
逆に、自分を肯定的に見ていると、他人のちょっとしたミスも「まあ、そんなこともあるよね」と受け止められます。
つまり、自分をどう見ているかが、人との関わりの質を決めているんです。
この“内側のレンズ”が曇っていると、外の景色も曇って見えるということですね。
② 否定的な自分は、否定的な世界をつくる
「きっと自分はダメだ」と思っている人ほど、周りの評価や指摘に敏感です。
ちょっとした注意も「攻撃された」と感じてしまう。
でも実際は、相手はただ事実を伝えただけ、なんてことも多いんです。
心がマイナスの状態だと、世界は敵のように見えます。
逆に、心がプラスで満たされていると、同じ言葉でも「助言」として受け取れる。
ここに、“対自分”の本質があります。
自分に対して否定的だと、他人の承認の言葉も素直に受け取れません。
「そんなこと言っても、本当は思ってないでしょ?」と疑ってしまう。
すると、せっかくのコミュニケーションもぎこちなくなってしまうのです。
結局のところ、自分を否定する人は、世界そのものを否定的に見てしまう。
だからこそ、まずは“自分を承認する力”を育てることが大切なんです。
③ 自分を承認する力が、人を承認する力になる
私が企業研修などで感じるのは、「他人を認める」スキル以前に、「自分を認める」ことの難しさです。
承認の言葉をテクニックとして覚えることはできます。
でも、心の底から自然に伝わる言葉にするには、自分を肯定できる感覚が欠かせません。
「自分に向ける言葉の質」が、「相手に届ける言葉の質」になる。
これは本当に深い真理です。
たとえば、あなたが仕事で少しミスをした部下に「次、頑張ろうね」と声をかける場面を想像してみてください。
自分に厳しいタイプの人ほど、その言葉の裏に“我慢”や“無理”がにじみます。
でも、自分を肯定的に受け止められる人は、心から優しく声をかけられる。
だからこそ、相手にも安心感が伝わるんです。
人間関係の本質は、実は自分との関係にある。
他人を変えるより、自分の見方を変える方が早いのです。
④ 自分に問いかける習慣を持つ
では、どうやって“対自分”の姿勢を育てればいいのでしょうか。
それには、日々の小さな「問いかけ」が効果的です。
たとえば一日の終わりに、こう自分に尋ねてみてください。
-
「今日、できたことって何だろう?」
-
「少しでも、自分を褒めたいことは何?」
最初は照れくさいかもしれません。
でも、これを続けると少しずつ“自分を見る目”が優しくなります。
心理学的にも「自己承認」が高まると、ストレス耐性が上がり、人間関係の満足度も上がると言われています。
つまり、自分を肯定する習慣は、単なる精神論ではなく、実際に日常を変える力があるのです。
⑤ 「対自分」が変わると、すべてが変わる
自分を大切にできる人ほど、他人を大切にできます。
これは自己中心的という意味ではなく、自分という土台を整えるということです。
たとえば、植物も土が乾ききっていると花を咲かせられません。
人も同じで、心が枯れた状態では、誰かに優しくすることが難しいんです。
だからこそ、まずは自分を満たすこと。
「今日もよく頑張ったね」と、たった一言でも自分にかけてあげる。
その積み重ねが、世界を少しずつ明るくしていきます。
⑥ まとめ 〜三方よしは、対自分から始まる〜
「売り手よし・買い手よし・世間よし」という三方よしの精神。
そのどれもが持続的に成り立つためには、まず“自分よし”が欠かせません。
自分を否定している人が、他人を喜ばせ続けることはできません。
自分を認められない人が、心から社会に貢献するのも難しい。
だからこそ、三方よしの原点は“対自分”にあるのです。
今日からできることは、ほんの小さな自己承認です。
「朝ちゃんと起きられた」「仕事を最後までやり切った」「誰かに笑顔で挨拶できた」
そんな小さな“できた”を積み重ねていけば、やがて心のレンズがピカピカに磨かれていきます。
というわけで——
三方よしの実践力を高める第一歩は、「自分を承認すること」。
自分を大切にできる人ほど、周りの世界もやさしく変わっていくものです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
それでは、良い一日を!
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