コラムCOLUMN
“質問型”が浸透していく現場のリアルをお届けします

こんにちは、安井です。
最近、講座や講演のあとに、よく聞かれる質問があります。
「質問型コミュニケーションって、実際どんな場面で使われているんですか?」
たしかに、「質問することが大事」と言われても、日常の中でどう使うのかって、ちょっとピンと来ないですよね。
今日はその“リアルな現場の話”を、ラジオ収録のエピソードを交えながらお届けしたいと思います。
目次
① よくある「質問型って大事らしいけど…」の壁
「質問型コミュニケーション」という言葉を聞くと、なんとなく「コーチング」や「傾聴」と同じようなイメージを持つ方が多いです。
もちろん、それも近い考え方なのですが、実際にはもう少し“人との関係づくり”にフォーカスしたものなんです。
たとえば上司と部下の関係。
「部下にもっと自発的に動いてほしい」と思っているのに、つい「〜しなさい」「〜した?」と指示や確認ばかりになってしまう。
これ、誰しも経験ありますよね。
そんなときに「質問型」を意識すると、空気が変わります。
「どうしたらうまくいくと思う?」「今、何が一番のハードル?」と尋ねるだけで、相手の思考が動き出す。
不思議ですが、たった一つの問いが、その人の主体性を引き出すきっかけになるんです。
② 現場で起きている“質問の力”
さて、今日のラジオゲストは、岡山県で地域密着の電器店を営む「すがの電器」会長、菅野雅次さん。
地元では“令和の桃太郎”なんて呼ばれている方で、質問型コミュニケーション協会のトレーナーとしても活躍されています。
菅野さんの実践がすごいのは、「質問型」を単なるテクニックで終わらせていないことです。
社員やお客様、家族、地域との関わり方そのものを変えているんです。
たとえば、スタッフとの会話。
以前は「どうしてできてないの?」という確認型の会話が多かったそうですが、今では「どこが難しかった?」「どうすれば次うまくいきそう?」と、問いを中心にしています。
そうすると、叱らなくても人が動くんですよね。
これ、魔法じゃありません。
“人は聞かれることで考え始める”という人間の性質を、丁寧に活かしているだけなんです。
③ “売る”から“つながる”へ──まちの電器屋さんの挑戦
「すがの電器」さんでは、“売る”ことを目的にしていません。
テーマは「つながる」。
この言葉に、私はぐっときました。
家電を売るのではなく、「人と人の暮らしを支える」という発想。
お客様が困ったときに、気軽に相談できる存在になる。
そこには“信頼”という目に見えない価値が生まれます。
もちろん、家電量販店のように安さや品揃えでは勝負できません。
それでも地域で長く愛されているのは、「会話の質」が違うから。
「どうされました?」「今のお困りごとって、どんな状況ですか?」
そんな一つひとつの質問が、お客様の安心を生み出しているんです。
④ チーム運営にも“質問型”の効果
菅野さんが特に力を入れているのが、チーム運営です。
スタッフ一人ひとりが、自分で考えて行動する文化をどう作るか。
その鍵もやはり「質問」にあります。
たとえばミーティングのとき。
「次のイベント、どうしたら集客できるか考えて」と言うのではなく、
「どんな人に来てもらいたいと思う?」「その人たちは、何を期待してるかな?」と聞く。
すると、アイデアの質がまったく変わるんです。
“指示されたから考える”ではなく、“自分たちで形にしたい”という熱量が生まれる。
この変化が積み重なると、組織の雰囲気まで変わっていきます。
結果として、スタッフの笑顔が増え、お客様の笑顔も増えていく。
それがまさに“三方よし”の実践なんですよね。
⑤ “三方よし”を、日常に落とし込むヒント
「三方よし」という言葉、聞いたことありますよね。
売り手よし、買い手よし、世間よし。
でも、実際にそれを現場で実践するのは簡単じゃありません。
どうしても「まず自分の利益」や「数字の結果」を優先してしまうからです。
ただ、菅野さんの話を聞いていて思ったんです。
“質問型”を意識することが、三方よしの第一歩になるんじゃないかと。
なぜなら、質問には「相手を尊重する力」があるからです。
「どう思う?」と聞くことで、相手の視点を受け入れることになる。
その瞬間、会話が一方通行から双方向になるんです。
これは、家庭でも同じです。
子どもに「なんで宿題してないの!」と責めるより、「いつやるのが一番集中できそう?」と聞いたほうが、ずっと建設的ですよね。
小さな質問が、人間関係の空気を変える。
これが“質問型”の本質だと思います。
⑥ 現場で学んだ「聞く力」の深さ
ラジオ収録のあと、印象的だったことがあります。
スタッフの一人が、「最近、お客様との会話が楽しくなったんです」と話してくれました。
理由を聞くと、「話すより、聞くほうが面白い」と気づいたそうです。
最初は沈黙が怖かったけど、相手が考える時間を大切にしたら、心の距離が近づいた。
この“間を信じる感覚”、まさに質問型の真骨頂です。
私たちはつい、すぐ答えを出そうとします。
でも、相手の中にある答えを待つことも、立派なコミュニケーションなんですよね。
⑦ とはいえ、「質問型」も万能ではない
ここまで「質問型って素晴らしい!」という話をしてきましたが、誤解してほしくないのは、“質問すれば全部うまくいく”わけではないということです。
たとえば、関係性ができていない段階で質問を重ねると、逆に警戒されることもあります。
「なんでそんなこと聞くの?」と不信感を持たれることもある。
つまり、質問型コミュニケーションの前提には、“信頼”があるんです。
信頼があるからこそ、質問が機能する。
だからこそ、普段からのちょっとした挨拶や雑談も、大切な「土台づくり」なんですよね。
⑧ というわけで、今日のまとめ
“質問型コミュニケーション”の力は、言葉よりも関係に現れます。
問いを投げることで、相手の中にある考えや気持ちが動き出す。
それは、会社でも家庭でも、地域でも同じことです。
菅野さんのように、現場で実践している人の話を聞くと、「理論」ではなく「体温」が伝わってきます。
誰かの言葉に耳を傾ける。
相手の中の答えを信じて待つ。
その姿勢が、まちの人たちを笑顔にしていくんだと思います。
そして、それはきっと、私たち一人ひとりの日常にも取り入れられることです。
仕事のミーティングでも、家庭の会話でも、友人との雑談でも。
「どう思う?」「なんでそう感じたの?」という小さな質問が、関係をやさしく変えていく。
そんな日常の積み重ねが、三方よしの社会を少しずつつくっていくのかもしれません。
というわけで、今日のラジオではその“リアルな声”をお届けします。
お時間ある方は、ぜひ耳で感じてみてくださいね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
それでは、良い一日を!
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