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リーダーとリーダーシップは別のもの

こんにちは、安井です。
今日は「リーダーとリーダーシップは別のもの」というテーマでお話ししたいと思います。
職場の研修などで、「リーダーとリーダーシップの違いって何ですか?」と聞かれることがあります。
この質問、実はとても奥が深いんです。
多くの人がこの2つを同じような意味で使っているのですが、よく考えるとまったく別の概念なんですよね。
目次
- 1. リーダーとリーダーシップの違いって?
- 2. 肩書きよりも関わり方で決まる
- 3. “質問型”で生まれるリーダーシップ
- 4. リーダーシップは「誰かが持つもの」ではない
- 5. じゃあ、どうすればリーダーシップを育てられるのか?
- 6. “リーダーでなくても発揮できる”という自由
1. リーダーとリーダーシップの違いって?
一般的に「リーダーシップ」と聞くと、チームを引っ張っていく強い存在、みんなをまとめる力、というイメージが浮かぶと思います。
いわゆる「頼れる上司」「引っ張ってくれる人」といった感じでしょうか。
でも、実はリーダーとリーダーシップは別物なんです。
リーダーとは「人」です。つまり、チームや集団の中で方向を示す役割を担う“存在”のこと。
一方、リーダーシップは「行動」です。
目的に向かって人を動かしたり、影響を与えたりする“力”のことなんです。
言ってみれば、リーダーが「名刺に書かれた肩書き」だとしたら、リーダーシップは「日々の関わり方の積み重ね」です。
2. 肩書きよりも関わり方で決まる
会社でいうと、「店長」や「課長」などが“リーダー”と呼ばれる立場です。
でも、リーダーシップを発揮しているのは、必ずしもその人たちだけではありません。
たとえば、チーム内で「これ、私がやっておきますね」と自然に動ける人。
あるいは、困っている同僚にさりげなく声をかけて、雰囲気を明るくしてくれる人。
こうした人たちは、役職がなくても立派にリーダーシップを発揮しています。
つまり、リーダーシップは肩書きではなく「関わり方」で決まるということです。
逆に言えば、肩書きがあっても、周囲に良い影響を与えられないなら、リーダーとは呼びづらいかもしれません。
3. “質問型”で生まれるリーダーシップ
さて、ここで一つ面白い視点があります。
それは「リーダーシップ=指示力」ではない、ということです。
「こうして!」「これやって!」と命令することが、リーダーシップの発揮だと思っている人は多いです。
でも、実際に人が自発的に動くのは“指示”ではなく“質問”によってです。
「あなたはどう思う?」「どんな方法が良いと思う?」と問いかけることで、相手が自分で考えるきっかけを得る。
その結果、相手の中に主体性が生まれ、行動が変わるんです。
これを“質問型リーダーシップ”と呼ぶこともあります。
ざっくり言えば、「人を動かすのではなく、人が動きたくなる環境を作る力」です。
たとえば、家庭でも同じです。
「早く宿題しなさい!」と言われても、子どもはやる気が出ませんよね。
でも、「宿題、どこまでできた?」「今日、どの教科が一番楽しかった?」と聞かれると、少し前向きな気持ちになれたりします。
この違いが“指示型”と“質問型”の差です。
4. リーダーシップは「誰かが持つもの」ではない
多くの組織では、「リーダー=チームを代表する存在」と考えがちです。
でも、本来のリーダーシップは「誰か一人が背負うもの」ではなく、「チーム全体で育てる文化」なんです。
一人のリーダーに依存するチームは、どうしても脆くなります。
リーダーが不在のときに動けなくなったり、意見が偏ったりすることもあります。
しかし、メンバー全員が少しずつリーダーシップを発揮できるチームは強いです。
誰かが自然にフォローに入ったり、困っている人に声をかけたりする。
そうした小さな行動の積み重ねが、組織をしなやかにしていきます。
つまり、リーダーシップは「個人のスキル」ではなく、「文化として根づくもの」なのです。
5. じゃあ、どうすればリーダーシップを育てられるのか?
では、どうやってその文化をつくるのか。
答えは意外とシンプルです。
まずは、日常の中で「相手に興味を持つこと」。
「なぜそう思ったの?」「どう感じたの?」と問いかけることで、コミュニケーションの流れが変わります。
次に、「任せる勇気」を持つこと。
すべてをコントロールしようとせず、信じて委ねることがリーダーシップの第一歩です。
最後に、「失敗を許す空気」をつくること。
誰かが挑戦してうまくいかなかったときに、責めるのではなく一緒に考える。
この積み重ねが“心理的安全性”を生み、チームの創造性を高めていきます。
リーダーシップの本質は「完璧に導くこと」ではありません。
「関わる人が、自分の力を発揮できるように支えること」なんです。
6. “リーダーでなくても発揮できる”という自由
ここまで聞いて、「自分はリーダーじゃないし…」と思った方もいるかもしれません。
でも、リーダーシップは立場に関係なく誰でも発揮できます。
チームの中で、ちょっとした気づきを共有する。
誰かのアイデアを肯定してみる。
ミーティングの沈黙を和ませる一言を投げる。
これらはすべて、立派なリーダーシップです。
「誰かがやってくれる」ではなく、「自分も関われるかも」と思えることが、チームを前進させる力になります。
というわけで、リーダーとリーダーシップはまったく別のものです。
リーダーは「役割」、リーダーシップは「行動」。
そして、その行動は誰にでもできる。
あなたの周りにも、きっと“肩書きのないリーダー”がいるはずです。
その人たちの存在に気づくことこそが、リーダーシップ文化の第一歩なのかもしれません。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
それでは、良い一日を!
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