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チームはなぜ“トップだけ”を変えても動かないのか─共通言語の力

こんにちは、安井です。
今日は「チームはなぜ“トップだけ”を変えても動かないのか」という、ちょっとモヤっとしやすいテーマについて書きたいと思います。
「リーダーがしっかりすれば組織は変わる」
こんな言葉、どこかで聞いたことがあるかもしれません。もちろん間違いではありませんし、トップの影響力は本当に強いです。
ただ、実際の現場を見ていると「トップだけががんばっても、意外とチームは動かないんですよね…」という場面によく出会います。
今日は、その理由と、じゃあどうすればいいのかについて、僕なりにゆるく深掘りしてみます。
肩の力を抜いて読んでもらえたらうれしいです。
目次
- 1. トップだけを変えてもうまくいかない理由
- 2. 両方の声を聴くと“ネック”が見えてくる
- 3. 共通言語がチームをひとつにする
- 4. スタートラインは“線でつながること”
- 5. というわけで、チームは「全員でつくるもの」なのかもしれません
1. トップだけを変えてもうまくいかない理由
組織に質問型コミュニケーションを導入するとき、僕はトップだけでなく必ず社員の方々にも話を聞くようにしています。
というのも、トップの想いは大切なのに、それだけではメンバーが“動く理由”にならないことが多いからです。
たとえば、社長が「会社をもっとよくしたい!」と強く思っていても、その想いがメンバーに伝わっていなければ、メンバーは「何をどうすればいいんだろう…?」と戸惑います。
これって、家族旅行で「沖縄に行きたい!」と親だけが盛り上がっていて、子どもたちは具体的に何を楽しむのか分からない状態に少し似ています。
方向性が共有されていないと、チームはそろって前に進むことができません。
トップの想いが組織の行動になるためには、「メンバー全員が共通の考え方を理解すること」が欠かせないのではないでしょうか。
2. 両方の声を聴くと“ネック”が見えてくる
先日も、ある会社でトップと社員の双方に面談する機会がありました。
トップはトップなりに「こうしたい」「もっとよくしたい」という考えを持っていました。
一方、社員は社員で「現場の状況はこうだから難しい」「そもそも何を目指しているのか分からない」と感じていました。
このギャップが、チームが動かない“ひっかかり”になっていたのだと思います。
特にその会社では、
「ビジョン」や「ミッション」
といったチームの“共通言語”が明確になっていませんでした。
これが曖昧だとどうなるかというと…
・何のために頑張るのか分からない
・売上目標がただの数字にしか見えない
・自分の仕事が全体にどうつながっているかイメージできない
こんな状態になってしまいます。
人は、自分の行動の目的が見えないまま、主体的に動くことは難しいです。
僕自身、学生時代に「とりあえずこのプリント全部覚えておいてね」とだけ言われると、まるでエンジンがかからなかった記憶があります。
だからこそ、トップとメンバー両方の声を聴くと、チームが動かない理由がより正確に見えてくるのです。
3. 共通言語がチームをひとつにする
リーダーが描く“理想のチーム像”と、メンバーが体感している“現場のリアル”。
この2つは、どうしてもズレが生まれます。
そして、このズレを埋めてくれるのが、「ビジョン」や「ミッション」といった共通言語です。
ビジョンやミッションと聞くと、少し大げさな印象があるかもしれません。
でも、ざっくり言うと「何のために働くのか」という方向づけのことです。
これがあるだけでチーム全体の視線がそろい、行動が変わり始めます。
たとえば、「お客さまに“また来たい”と思ってもらえるサービスを提供する」というビジョンが共有されているとします。
すると、接客担当も営業担当もバックオフィスも、それぞれの立場で「どうすれば“また来たい”につながるだろう」と考えられるようになります。
同じ言葉があると、人は同じ方向を向きやすくなります。
これは、スポーツのチームでも同じです。
「全国優勝」という共通の目標があるだけで、練習の質も会話の中身も変わります。
だからこそ、共通言語は“チームをひとつにまとめるための軸”になるのだと思います。
4. スタートラインは“線でつながること”
質問型コミュニケーションは、単に「問いかけが上手くなる方法」ではありません。
ものすごくざっくり言うと、「一緒に目的に向かって考える文化をつくること」です。
そして、その文化をつくるためには、
ビジョン → 組織構造 → 各自の役割 → 行動
これらが一本の線でつながっている必要があります。
この“つながり”が、質問型コミュニケーションを支える土台になります。
逆に、ここがつながっていないまま質問だけを増やすと、メンバーは「結局何を大事にしているの?」と混乱してしまいます。
質問はあくまで“目的を共有している状態”が前提になっているのです。
トップとメンバーが同じ方向を向いたとき、質問は自然と力を発揮します。
会話が深まり、理解が広がり、行動が揃っていきます。
気づいたらチームが動き出している、そんな状態が生まれるのではないでしょうか。
5. というわけで、チームは「全員でつくるもの」なのかもしれません
トップの努力は確かに大きな影響力を持っています。
でも、トップだけが頑張れば組織が変わるわけではありません。
メンバー全員が「何を目指しているのか」を共有し、共通の言葉のもとに動けること。
それがチームが前に進むための本当のスタートラインになるのだと思います。
とはいえ、「完璧なビジョンをつくらなきゃ!」なんて気負う必要もありません。
最初はざっくりした方向性でも大丈夫です。
まずは、トップとメンバーが線でつながること。
それができるだけでも、ぐっと動きやすいチームになります。
今日の話が、あなたのチームづくりのヒントになればうれしいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
それでは、良い一日を!
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